DUDEK

NEMO XX

Recreational All-Rounder

安全なフライト、効果的なステアリング
簡単な操作、そして魅力的なカラーリング…
ピィオトル・デューデックの豊富なデザイナー経験が
究極のファーストグライダーを生み出した！

デューデックべた褒めのグライダー

デューデックがフリーフライトラインのファーストモデルに位置付けているのがネモXXだ。ネモのファーストモデルは2005年にEN-Bとして投入。2011年に第2世代のネモ2にモデルチェンジしているが、EN-Aで認証を受けファーストモデルとして新しいポジションを与えられた。第3世代のネモXXは2014年にリリースされているが、デューデック社のネモXXに対する評価は非常に高い。

抜群の飛行性能に目からうろこが落ちる

パラモーター用にトリムの付いたライザーを装着。Aライザーは翼端折り用に分岐していて特別に長くなっているのが特徴だ。さらにモーター用の肩つりハーネス用とアクティブシステム用に二ヶ所にカラビナ接続ようのループが付いている。今回はアクティブシステムなので、ライザーが短くなる位置にセットした。
地上にグライダーを開いた時は全く普通の初級機に見えるが、ライズアップした瞬間にその素直な特性に驚かされた。ほとんど無風のライズアップなのに、クロスハンドもできてしまう。エンジンのパワーを上げると、簡単に離陸してしまった。
気をよくしてフライトしていると、エンジンの回転数が異常に低いことに気が付く。いつもの上昇率なのにエンジン音が静かなのだ。シャークノーズが生み出す翼剛性の高さに加え、アスペクト比は投影で3.65と低いのにパフォーマンスが十分に出ている。今回は展開翼面積20.6?の20サイズを使用、体重65kgでエンジンはMINIPLANE ABM、燃料やパラシュートなどの合計は80kg以上になるのにとんでもなく良く浮き、アイドリングでソアリングが可能だ。

ストレスフリーのオールラウンダー

気持ち良くソアリングが可能で、サーマルでも安心してセンタリングできる。せっかくトリムが付いているので全部伸ばしてみると、スピードは45km/hまで上がるが安定している。フットアクセルを使ってみると、最高速は50km/hに達した。この性能は初級機にしては出来すぎで、このままクロスカントリーに出ても十分に楽しめそうだ。ファーストグライダーとして、サーマルソアリングもクロスカントリーもパラモーターのフライトもこなせてしまう。まさに究極のオールラウンダーだ。
翼型はデューデックオリジナルのDOA（※）を採用。リーディングエッジはリジットロッドで構成されたフレキシ−エッジテクノロジーにより、高速時の変形を最小限にとどめている。スパン方向の翼剛性を高めるサポートテープや内簿構造を最適化するVリブ、翼後縁の膨らみを抑えるミニリブ、抗力を低減する3ラインレイアウトなど、高性能パラグライダーの開発から生み出された技術を惜しげもなく注ぎ込んでいる。
これらのソリューションがEN-Aクラスでも例外的なパフォーマンスをもたらしているにも関わらず、EN-Aクラスの安全性の厳しい要求を満した、いわゆる「アッパーA」としての存在感を高めている。

こんなパイロットに薦めたい

デューデックの製品を日本に紹介しているフライトシステムは、フリーフライトラインのモデルも紹介することで幅広くユーザーのニーズに応えていく方針だ。同時にパラモーターパイロットのためのファーストモデルとして、ネモXXは貴重な存在だ。
ピィオトル・デューデックの長年に渡るデザイナー経験を融合させた先進の技術は、完全に安定したキャノピーのパラグライダーを生み出し、このクラスのパイロットの期待に見事に応えている。最初のトレーニングから使えるのに、色々なフライトでの安全性と高性能を両立した多機能なグライダー。新しく空を目指すビギナーのファーストグライダーにお勧めしたい一機だ。

※Dudek Optimized Airfoil

（REPORT：Ryoya IGARASHI）