ギア・インプレッション

DRIFTAIR

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イージーXCグライダー

ダイナミックなフリースタイル、パイロンを駆け抜けるスラローム、未知の景色にアプローチするクロスカントリー。さまざまなシーンで頼れる相棒、オールラウンドスポーツグライダーの登場だ!

新世代オールラウンドモデル

 ドリフトエアはリフレックスグライダーを理解しているパイロットにとって、高い安全性を優先してデザインされたパラグライダーで、アクティブなレクリエーションやスポーツ競争を楽しむパイロットをターゲットにしている。
 軽いライズアップで、低速飛行から高速飛行まで軽いトリム操作でスポーツフライトを実現。さらに、2Dチップコントロールグリップにより、ブレークグリップを持ったままウイングチップのコントロール操作できるので、旋回時のバンクコントロールや高速飛行時のコントロールに威力を発揮する。
 高評価を得ているスネーク1.2の平面形状とフラットアスペクト比を継承しているが翼のアーチからライザー、ブレーコード、その他すべての機能を一新し、新世代のオールラウンド機を完成させた。

快適な操縦性をカスタマイズ

 パイロットに最適な体重範囲でフライトを楽しめるよう、7サイズ展開で65から150kgの体重レンジをカバーしている。
 上面にスカイテックス38、下面にドミニコ34、4列ラインレイアウトを採用し効率的な2次元ステアリングも可能にしている。ライザーにはトリマー、スピード、パワーアタック(PA)システムなどコンパクトでありながら効率的なツールを装備。さらにステアリングプーリーとマグネットを3カ所の位置に任意で設定でき、機材による違いにも対応し直感的なステアリング操作を可能にしている。
 一部のパワーパック/キャノピー構成では、かなりの量のトルクが発生する可能性があるが、ワープに搭載した自動TEAシステム(トルクいフェクトシステム)を採用することで、トルク方向に応じてライン配置を最適化しトルクを打ち消すことができる。またスピードバーを使用すると自動的にトリマーを解放するPA(パワーアタック)システムを搭載している。

さぁテストフライト!

 エンジンはミニプレーン リジッドで、サイズ14(14㎡)を試乗する。私の体重63kgで、エンジンと装備を含めると90kgくらいになるので、はかなり高翼面加重の設定だ。しかし最大搭載重量は100kgまでなので、余裕でフライトできる。トリムは最低速ポジションにセットしたが、ライズアップは早く、軽く頭上に浮いている感じ。ブレークコードを少し当てて、エンジン回転を上げるとスゥーと滑るように浮いて離陸していた。
 上空ではコントロールが軽く、キャノピーの動きもブレークコードにマッチしていて安定性がある。ロールはクイックで、旋回は加速していく感じでとてもスムーズで安心感がある。ワンターンでスパイラルに入れて、2ターンで3Gくらいまで加速できる。まさにスポーツグライダーの最高峰と言える仕様だ。
 今日はサーマルコンディションが強めだったので、ちょっとセンタリングしてみる。トリムを最低速にして小さい上げで旋回していると、近くのトンビが追いかけてきて一緒にセンタリングを楽しんだ。

小さいのに滑空比が良い!

 小さな旋回が可能なので効率的に上昇できるが、チップコントロール2Dを駆使すれば更に小回りを効かせたセンタリングが可能だ。ランディングは、トリムを最低速にセットしてエンジンカットで降りてみる。進入速度に注意しなければならないが、フレアのブレーク操作に追従して減速と高揚力となってランディングも楽々だった。
 2本目のフライトでは、パワーアタックシステムをテスト。低速トリムでテイクオフ(スローモード)、そのままフットバーで加速(ファーストモード)、チップコントロールで旋回してフットバーを低速にもどすと減速して旋回(アクセレイテッドモード)する。滑空比の良さも相まって、スピードが高度にスムーズに変換されていくのでスラロームも意のまま。飛行中にトリムも独立して稼動できるので、長い高速飛行を多用するXCフライトでは便利なシステムだ。すでにクロスカントリーに使っているが、高速での安定性が強いので風の影響をあまり心配しないで移動できる。新しいタイプのフライトが始まったような気がする機体だった。

(REPORT:Ryoya IGARASHI)

SPEC INFORMATION

サイズ 141516 1820 2224
セル数 60606060 60 6060
翼面積(投影)㎡ 12.16 13.02 13.89 15.63 17.36 19.10 20.84
翼面積(実測)㎡ 14.00 15.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00
スパン(投影)m 7.35 7.61 7.86 8.33 8.78 9.21 9.62
スパン(実測)m 9.01 9.33 9.63 10.22 10.77 11.30 11.80
アスペクト比(投影) 4.44 4.44 4.44 4.44 4.44 4.44 4.44
アスペクト比(実測) 5.80 5.80 5.80 5.80 5.80 5.80 5.80
機体重量 kg 3.78 3.94 4.11 4.44 4.77 5.13 5.43
飛行重量 kg ※ 65-85
(100)
70-90
(105)
80-100
(115)
90-110
(130)
100-120
(140)
110-135
(155)
120-150
(170)
認証 ULM承認
価格(税別) ¥420,000 ¥430,000 ¥440,000 ¥450,000 ¥460,000 ¥470,000 ¥480,000

※:カッコ内は経験豊富なパイロットのための最大許容離陸重量。高度なパイロットスキルが必要。

[製造元]DUDEK/ポーランド
[輸入・販売元]フライトシステム
[URL]http://fsystem.info

2020年12月号掲載)