Bruce Goldsmith Design

TALA

ブルースゴールドスミスによる
唯一無二のEN-Cグライダー

BDGとは、ブルース・ゴールドスミス・デザインの略。長年色々なメーカーでデザイナーとして活躍し、またヒット作を数多く生み出してきたブルースが、1012年9月に自身のブランドとして設立した、新しいパラグライダーメーカーだ。

ブルース・ゴールドスミスのコンセプト

BGDのオーナー＆デザイナーであるブルース・ゴールドスミスは、1991年にエアウェーブのデザイナーとなって以来、オゾン、アドバンスなどの大きなブランドで活動してきた。
最近のパラグライダー構造のトレンドとは一線を画し、ターラは本来のパラグライダーの姿を示すように、少ないセルで軽量さを取り戻し、CCBによるクリーンなリーディングエッジを持たせ、正確な翼型を形成することで性能向上させるという独自のアプローチで仕上げられている。
CCB（＝Chord Cut Billow）は、リーディングエッジ付近のセル間の膨らむ部分をコード（前後）方向へ切り込みを入れてシワを少なくするというブルース独自の新しいカッティング技術で、トップセールのリーディングエッジより少し後ろに用いられている。
ターラは完全な3ライナーで、ラインのカスケードも翼中央付近は2段階とし、少ないライン使用長でさらに50という少ないセル数で、シンプルに作られている。そのため、特別な軽量素材を使うことなく4.9kg（Mサイズ）と軽量な仕上がりとなっている。

フライトインプレッション

ブルースのデザインらしくやや小さめの翼面積。ラインはすべてケブラーラインで被覆はないが、太めのラインを使っていて安心感が高い。ライズアップはソフトな印象だ。
テイクオフ後に感じるのは、速めのトリム速度だ。今回はテイクオフウエイト90kg程でテストしたが、スピーディーにぐいぐい進んでいく感覚。アクセル操作幅は12cmで、15km/h以上ものスピードアップが可能。沈下は増すもののスムースな加速感をもっている。 　ブレークコードは決して重くなく、コントロールも素直だ。ただ、ブルースの好みで少し短めにチューニングされているため、クイックに動くという印象を持つパイロットもいるかもしれない。
サーマルでのターラの動きは特徴的だ！ 翼自体がサーマルコアを察知して、自然にグイグイと強い上昇へ入っていく。上昇気流によって翼が煽られる動きも実に少なく、つまりピッチアップしにくいため、速くサーマルコアへ到達できるのだ。これがターラのもっとも特徴的な点だ。
また、ターラは回復性に優れている。大きく翼を潰しても翼端がクラバットしにくく、片翼を大きく潰した状態であて舵を大きめにしてもストールしにくかった。ブルースは低速の利く翼を目指しており、その結果がこの点に現れていると感じた。ENテストでも24種類のテストでそのほとんどでA、6種類のテストがB、75％非対称コラップスのみがCとなっている。

ブルースハンドリング

ターラは「サーマルのコアへ入り込んでいこうとする感覚」を持っている。これが、ブルースハンドリングと呼ばれるものだ。サーマルへの入り始めで煽られることがないため、サーマルコアへスピードを出しながら到達し、コアを逃がすことなくセンタリングできる。この点において、他にはない個性的なパラグライダーなのだ！

（REPORT: Satoshi MEGURO）