BGD

PUNK

EN-Bクラス革命

『意のままに操れる、ハイパフォーマンス』
ブルース・ゴールドスミスにしか創れない魅力がいっぱい
パンクを是非、ご堪能あれ！

ブルースが見せたパラグライダーの進化

　名機EN-B「ベース」の後継機は、サブカルチャー「パンク」のネーミングでセンセーショナルデビューを果たした。噂だけではない...『意のままに操れる、ハイパフォーマンス』これこそが新星パンクにふさわしい言葉だ。
　前作のベースと比べるとセル数を46から54に増加させ、エアーインテークサイズはセンター7cm×30cmから5cm×26cmの超薄型デザインに変更、リーディングエッジに配置されていた各セル間のプラスチックロッドのミニリブは廃止した。新たなアイデアであるライン・アタッチメントのリブのみ配置したBGDストロング・シャークノーズは、BGDグライダー自慢のアッパーシェープCCB構成と組み合わせたことで見事に抗力を減少させ、更に剛性に高めることに成功している。プラスチックロッドはリーディングエッジのみ使用。これによりボリューム減となり、当然パッキングの際に神経質になることはない。

ハイパフォーマンスでハッピーフライト！

　平面アスペクト比は5.68から5.42に抑えてこのクラスを求めるパイロットの扱いやすさを考慮、投影比は0.02減に留めてフラットなアーチデザインの採用により、コンパクトな印象をあたえる。当然、グランドハンドリングの扱いはイージーだ。
　ブレーキングの際、トレーリングエッジの湾曲がリフトを生成し、Cライン近くの部分の性能に影響してしまう。そこでブレーキング時の挙動を徹底的に分析した結果、デザイナーとしてキャリア豊かなブルース・ゴールドスミスだからこそのアイデアが生まれた。それが、新テクノロジー『ポスト・C・バンド』だ。このキャノピー上面スパン方向に取り付けられたテープにより、ブレーキング時に発生する皺を抑え、トレーリングエッジはかつてないほどクリーンになり、他ブランドが採用する重いプラスチックロッドより絶大な効果がある。
　パンクは翼面積から、一般的に理想とする飛行重量上限の幅を広げた重量で認証を受けている。つまりかなりのマージンを持ってEN-B認証をパスさせている。 4サイズの拡張認証された飛行重量はXS= 50-70kg、S=60-95kg、M=75-100kg、ML= 88-113kgとなっている。

パンクスタイル

　Mサイズ(75〜95Kg)87Kgでテストフライト。ライズアップのエアーインフレートは最初の50度位までは軽くスムーズ。その後はゆっくりと上昇、頭上安定後も癖がなく素直にテイク・オフできる。狭小なエアーインテークにもかかわらず、エアーインフレートは素晴らしく、ゼロまたは微フォローであっても問題はなかった。
　特筆すべきは、ハンドリング・ターンコントロールだ。ブレークプレッシャーは重くなく、しっかりとしていて微妙なインプットにダイレクトに反応する。
　パンクはベースよりもダイブ傾向が少なく、またパイロットに伝わる気流のフィードバックの情報量も多く得られ、外側のブレーキングも直感的にコントロールできる。パワーステアリングのハンドリングの恩恵もあり、バンクコントロールは容易でセンタリング・トレースは思いのままだ。

安全の考え方を変える

　まったく手に負えない状況になって、突然大きなコラップスを起こすのではなく、軽度から中程度のタービューランスで前兆、挙動を的確に伝えてくれる。つまりパイロットが今、何が起きているのか冷静に状況を把握させ、その情報を基にこれから何が起きるのかを判断させ、対処しやすいグライダーが安全というブルースの思想が反映されている。つまり安全なグライダーは、パイロットのパフォーマンスを向上させ、パイロットの幸福感に貢献する。まさにブルースの最新作EN-Bパンクそのものだ。
　パンクはブルースが提唱するパラグライダーの進化の具体例として、ある種のイデオロギーとなるだろう。

REPORT：Ninariver