ギア・インプレッション

DUAL

BGD

DUAL

タンデムパイロットの最高の相棒に!

ブルース・ゴールドスミスが自身の名を冠してブランドを立ち上げて約半年。EN-BクラスのWASP(ワスプ)、CクラスのTALA(ターラ)に続き、日本に上陸したのが、タンデムグライダーDUAL(デュアル)。優れた携帯性と耐久性、低速が利く安全性、さらに軽快なハンドリング特性と、プロタンデムパイロットにもパッセンジャーにも優しい翼の登場だ。

BGD

BGDのグライダー全機に通じていえることだが、パラグライダーの携帯性を損なうことなく、性能を向上させるというのが基本コンセプトだ。実際にはセル数・リブを少なくすることで軽量化し、またCCBによってリーディングエッジを綺麗に形成し性能を向上させている。  CCB(Chord Cut Billow)とは、リーディングエッジ付近のセルの膨らむ部分にコード(前後)方向へ切り込みを入れることでシワを少なくする、新しい独自のカッティング技術である。トップセールのリーディングエッジより少し後ろに用いられている。
タンデム機であるデュアルは、実測40?のワンサイズで120〜220kgをカバーしている。認証はEN-Bクラス。機体重量7.5kgとタンデム機としては軽量だが、軽量生地を用いているわけではなく、内部構造を変えることで耐久性を損なわず軽量化に成功している。

テイクオフの安心感

ナイロンスティックで形成されたリーディングエッジは、立ち上げ前から翼の形状をキープ。デュアルの立ち上げはとても軽く、1m/s程度の微風でも軽快に、ほぼ一定の速度で安定して上がってくるので、余裕を持って立ち上げることができる。また、等速であがった翼は頭上でなめらかに安定。ゆっくりと加速するとすぐに揚力が増していく。低速がきくため浮き出しが早く、ふわりとした優しい浮き出しだ。
ブレークテンションはタンデム機としては軽く、ソログライダーのハンドリングに近い。素直に引いた分だけ旋回に入っていく印象だ。サーマル内での挙動は非常に滑らかで、多少上昇率の変化があってもピッチが安定している。
ただ、ブレークの遊びが初期位置で短めになっているので、小柄なパイロットは少しだけブレークを延ばした方がいいかもしれない。

パッセンジャーにもパイロットにも優しい翼

トリムを半分程度解放すると、しっかりとスピードが増すのが感じられる。沈下は大きくない。全開にしてみるとさすがに沈下は大きくなるが、グライダーの挙動は比較的安定していて十分な加速が得られた。
テイクオフのし易さと共に、タンデム機で重要な要素は失速特性だ。ランディング時風は1m/sの弱風。オーバープル方式で、ゆっくりとブレークを引き徐々に減速していく。一瞬テンションが抜けそうになったが、そのままにしていると十分な粘りと減速を見せランディングできた。低速が利くという特性が、パッセンジャーをよりセーフティに着陸させてくれるだろう。
デュアルは、ブルース・ゴールドスミスの長年の経験を、安全にストレスなくフライトできる翼として形にしている。パッセンジャーが楽しみやすいようにチューニングされた翼だということが、グライダーから伝わってきた。

WEBでデュアルの動画をチェック!

【Face-to-face Paragliding/BDG】
http://www.flybgd.com/ja/paragliders/face-to-face-paragliding---monaco-61-65-0.html

(REPORT: HAJIME OZAKI)

SPEC INFORMATION

サイズ TANDEM
セル数 52
翼面積(投影)㎡ 34.33
翼面積(実測)㎡ 40.00
スパン(投影) 11.50
スパン(実測) 15.56
アスペクト比(投影) 3.88
アスペクト比(実測) 5.3
飛行重量 kg 120-230
機体重量 kg 7.5
速度 (max/trim)km/h 42 / 52
最小沈下率 m/s 1
滑空比) 9
安全規格(EN) B
価格(税別) ¥550,000

[製造元]Bruce Goldsmith Design/イギリス
[輸入・販売元](株)フィールドジョイ
[URL]http://www.fieldjoy.jp/

2014年04月号掲載)