BGD

CURE2

魂を癒す CURE 2

革新的でブランド独自のスタイルを表現してきたBGD。
ハイ・パフォーマンスモデルに
『Heal』“癒やし”と名付けるところに
ブルース・ゴールドスミスの哲学が垣間見える。
キュア2は、飛ぶことへのこの上ない歓びを与えてくれる。

5000万以上の仮想プロトでシミュレーション

　BGDでは新しいシミュレーションプログラムを開発。何機ものプロトでのテストフライトに代わり、アイデアごとに200回を超えるシミュレーションを行い、計5000万以上の仮想プロトタイプをシミュレーション。こうして完成したのが、3ライナーのクラスを超えたキュア2だ。
　スパンのテンションが調整され、構造的な剛性とフライト中の翼の動きをパイロットに伝える能力の完璧なバランスを見つけ出した。CCCクラスのディーバにインスパイアされたプロファイルは、洗練された翼内部構造を持つ。セル数を60から74に増やし、投影アスペクトはそのまま4.8と変更せず、形状をフラットにして展開アスペクトを6.75から6.4にコンパクト化し扱いやすく仕上げた。

最新技術によりクリーンで美しい翼

　プラスチックロッドのバテンは3部構成で、1本はエアインテークのボトムサーフェイスに配置。アッパーA-Bラインの中間に這わせた2本目で、BGDストロングシャークノーズを構成。アッパー2本目とクロスさせた3本目はDラインポイントの下あたりまで這わせている。翼端クラバットトラブル防止の為、スタビ側11セルはリーディングエッジにのみ。それでもMサイズで5kgは決して重くはない。
　新たな導入された「ダブルスキン・リーディングエッジ」は、インテーク下面の生地を折り返しポケット状にして、フラッターを抑え内圧の逆流防止の効果が得られる。Cラインポイントのスパン方向に配置した『ポストCバンド』、リブのサイドベントホールを通し3つの対角線に張り廻る『トリプルフィンガーダイアゴナル』など、BGDオリジナルの最新システムを搭載しキャノピーには皺がほとんど見られない。

軽快なハンドリングに酔いしれる

　狭小エアインテーク(3.5×19.5cm)、且つ14セル増えた74セル故に、微風でのエアーインフレーションには若干不安があった。しかし、3部構成のプラスチックロッドのバテンによる自立形状のおかげで、心配は皆無だった。ライズアップはシンプルで、強風時でも安定した弧を描いて立ちあがり、余計なフットワークを必要としない。
　ブルースゴールドスミス・ハンドリングはより洗練された。ブレークプレッシャーは程よく軽く、引き込みの初動は穏やかに反応する。ウェイトシフトに併せて、ソフトでスウィートなターンを生み出す。音楽に例えれば、4ビートの小粋なドラムブラシとピアノのコンビネーションサウンドのようなスイング感が心地良い。
　急激なブレーキングでもスピンする傾向はない。グライダーからのフィードバックは明確で、サーマルサーチも得やすい。クライムレートに合わせたバンク角の調整も、効率的なウェイトシフトと外翼のアクティブコントロールができるパイロットであれば、パンチの効いたサーマルコンディションの中でもサーマルコアを捉えることに集中できる。またスピードバーリリース後のピッチ安定、ターンレスポンスも優れている。この俊敏性は大きなアドバンテージになる。

ブルースが言う「プログレッシブ・スタビリティ」とは

　まったく手に負えない状況になって、突然大きなコラップスを起こすのではなく、軽度のタービューランスで翼端の軽い潰れで前兆、挙動を的確に伝えてくれる。パイロットに今、何が起きているのか、状況を冷静に把握させ、その情報を基にこれから何が起きるのかを判断させる。このように対処しやすいグライダーが、より安全にパイロットにパフォーマンスを発揮させることができる。これが、ブルースが唱え続けている「プログレッシブ・スタビリティ」だ。
　フライヤーのことを考え、パイロットに過度なストレスを与えることなく、パフォーマンスを進化させた。キュア2は、EN-Cクラスに新たな次元を創造した真のXCマシーンだ。

（REPORT：Ninariver）