BGD

BASE

心躍るオールラウンダー

BGD社のBASEは、非常にバランスに優れている。パフォーマンスを活かしたXCフライトから、高い安全性により安心してリラックスと、多目的にレクリエーショナルパイロットのニーズに応えてくれる。自在なハンドリングとパフォーマンスのバランスがよく、高速性能のみならず低速性能にも優れた、オールラウンドで愉しいグライダーだ。

グライダー構造をチェック！

今回紹介する「ベース」は、本誌フライトテクニック講座でお馴染のブルース・ゴールドスミスのBGD社からリリースされたEN-Bカテゴリー機だ。
セイルクロスは、上面にドミニコN30、下面にドミニコN20を、内部はDFN D30を使用。ラインはアッパーのセクションには非被覆ダイニーマ、ミドルとロアーラインに被覆アラミドを選択。ダイニーマとアラミドの特性を考慮したブルースゴールドスミスの理念が感じられて安心できる。計算されたラインレイアウトは、総ライン長245m（Mサイズ）と少ない。抵抗が少ないことから、ハイスピードが期待できる。
リーディングエッジ上面を前後方向へ裁断し、縫い合わせる手間の非常にかかった新技術、コードカットビロウ（CCB）を採用。これにより、軽量化と、エアーが入った後のセル側面をシワがなく滑らかに形成することに成功。画期的な翼表面は、特に低速時に効果を発揮し、ストール速度を遅くでき、失速しにくい翼になっている。
インテークはユニークなシャークノーズタイプを採用。コードカットビロウと相まって、完璧なアングル、完璧なシェイプのリーディングエッジデザインに仕上がっている。
ライザーには、アクセル使用時のピッチコントロール等に使用する、Cライザーコントロールシステムがついている。ブレークトグルはホールドしやすく、下方向以外には外れない画期的なスナップロックシステムが装備されている。

優れたハンドリング特性とソリッドな剛翼性

エアーインフレーションはスムーズで、ライズアップはシューティングを感じず、また頭上安定に優れている。ステップアップの乗り換えであっても違和感や扱いづらさはないだろう。ブレークコントロール幅はやや短く感じたが、問題はない。ブレーキプレッシャーは一般的な重さであろう。
ハンドリング感覚は非常に優れている。これがBGDグライダーの真骨頂だ！テスト時のサーマル3〜4m／sのコンディションでは思い通りのトレースでサーマルコアを心ゆくまで楽しめ、ベースの精確かつ軽快なハンドリングに大満足。渋いサーマル内でも良好なクライムレートを持っており、同社のCカテゴリーのターラと互角の上昇を楽しむことができた。
テイクオフ直後から、翼からは高剛性の感触を得ていた。シャークノーズタイプのプロファイルのグライダーでは度々この感覚を得るが、ベースからは内部構造のソリッド感を真に感じることができる。トリムスピードは平均39km／hで、Bカテゴリーの中ではトップクラス。アクセルシステムを使用すると、プラス14km/hに達した。不安定感はなくスピードバーは程良い圧力でスムーズな踏み込みだ。

コンクルージョン

ベースの強みを云えば、穏やかなサーマルでもダイナミックなサーマルでも、如何なる条件下でも効率的なターンができるブルースハンドリングと言われるコントロール性能。そして、高剛性翼が生み出す高速域での超安定感だ。これらのパフォーマンスを持ちながら、セーフティレベルはBカテゴリー中でも他機の追従を許さない程、完成した翼であると思う。
あなたが望むグライダーはどのようなグライダーだろうか？ バランスに優れたグライダーを望むのであれば、ベースは選択肢の1つである。

（REPORT: Ninariver）