ギア・インプレッション

F3

APCO

F3

F1のDNAを受け継ぐ
究極のオールラウンド機

上級者向けのグライダーF1 に匹敵するパフォーマンスを
F3はより扱いやすくストレスフリーを実現。
F3は新世代のベンチマークになる!

コンセプトは扱いやすく、ストレスフリー

 スピードにこだわるアクティブな上級者向けのグライダーとしてF1は人気のモデルだ。その高速性能と機敏さを維持しつつ、扱いやすさを追加したモデルがF3だ。開発中は「ベイビー F1」のニックネームが与えられ、基本設計の多くの部分をF1から受け継いでいるが、系統としてはフォースの後継機という位置づけだ。
 F3は3サイズを揃え、前縁の3Dカットやリブの角度を翼端側で徐々に変更しスパン全体の流れを整えるFAR(フローアラインリブ)、高速での翼の安定性と性能を向上させるHIT(ハイスピードインテーク)バルブ、大幅なスピードアップを実現した新型ライザーシステムなど、最新のテクノロジーをF1から受け継いでいる。
 特に注目したいのがOAA(ワンアクションアクセラレーション)で、アクセルバーを使用してAライザーを引き込むとDライザーが連動し延長されスムーズに加減速できるシステムだ。この機能を使用するにはDライザー末端の連結されているブランメルフックをフライト前に外しておく必要があり、通常のトリマーはニュートラルにしておくことが推奨されている。

超イージーライズアップ

 素材は上面に42g、下面に27gを使用し、エアインテークはフレクソンバテンで補強、フォースⅡ の同サイズと比較すると約1kgの軽量化を実現している。24サイズの機体重量は4.6kg。もちろんアプコ自慢の高耐久性も保証されている。
 この軽さは、ライズアップでも存分に発揮される。ライズアップで苦労している方は、F3のライズアップ性能に驚くに違いない。「少々の風があれはAライザーを持たなくても勝手に上がってくるよ!」とユーザーからのコメントも届いている。
 ライズアップに若干の不安がある筆者でも、F3は朝方の微風の風でのフロントライズアップでスロットルを使わずともスムーズに立ち上がり、キャノピーは頭上に留まってくれる。そのまま加速すると、難なく離陸してしまった。
 テイクオフの扱いやすさは、今まで触れて来た機体の中でも断トツだ。

フライトも超イージー!

 F3の24サイズに、エンジンはカスタムフェザーのラケット120を組み合わせてフライトした。まず水平飛行。普段はリフトをよく使ってフライトするが、それと比較してもエンジンの回転数は700回転くらい低く、スロットルはやや控えめでも巡航フライトができる。これはF3のパフォーマンスの高さがなせる技だ。
 ブレークの反応も機敏で、ストレスなくパイロットの意思を機体に反映してくれるので、軽快な操作感と強風時でもよく進むスピード感を体感できる。
 F3のブレークハンドルは、ラインが2本ずつある「2Dステアリング」を採用している。これはブレークを引くだけはなく、腕の開き具合でグライダーの翼端側かトレーディングエッジ全体にブレークを利かせるかを調節できる。高速時はグライダーのリフレックス形状をなるべく崩さないように脇を閉めた姿勢で翼端側だけブレークを利かせ、低速時やランディング時は腕を広げて引きトレーディングエッジ全体でブレークするというものだ。
 脇を閉めた翼端側のみの旋回では、速度が変わらず滑るように旋回が可能、逆に腕を広げると減速しているけどしっかり旋回している・・・そんなフィーリングだ。意識的に操作してみると旋回の違いを体感できるので、状況に応じて使い分ければより効果的なフライトが可能になる。
 ステップアップする過程で「2Dステアリング」を自分の技術として習得する機体としても、F3が持つ安定性と安心感は大きな助けになる。

クロスカントリー機としての素質

 トリムニュートラル時の速度はF1に劣るが、それでもF3は軽快な速度でグングン進む印象だ。カタログ上は43〜47?/hの設定だが、それよりもスピードが出ている感覚だ。
 通常のトリマーとアクセルバーを任意で操作する場合でも楽しい加速感を味わえるが、OAAを使用すればより楽に操作ができるのでフライトに集中できる。アプコの中では、スポーツクラスのクロスカントリー機としての役割も担うF3だが、この使い勝手を存分に享受すればより楽しいパフォーマンスを実現できる。
 ランディングはトリムスピードでアプローチして、地面が迫ったタイミングでブレークを操作するとすんなり減速してソフトにランディング。この日は風が弱いのでフレア操作を確実にと肝に銘じていたがフレアの利きも良く、ちょっと利かせ過ぎたイメージだったがあっさりランディングできた。
 この優しさはベテランパイロットにもお勧めしたい。F3ユーザーの声の中には、離着陸での扱いやすさを挙げる方が目立つが、まさにその通りのフィーリングだ。

F3のターゲット

 ライザーシステムには「OAA」や「2Dステアリング」などの操作系が搭載されているので複雑さを感じるかも知れないが、これらを使いこなせば軽快な速度を手に入れることができる。特にクロスカントリーフライトで最大限に活かされる。
 F3の機敏で正確な操作性は、スクールを卒業して楽しく空を飛びたい方から上級者でものんびり飛びたいと考えている方々にお勧めできるモデルに仕上がっている。

(REPORT:Satoshi SUGAWARA )

SPEC INFORMATION

サイズ 22 24 26
セル数 56 56 56
翼面積(投影)㎡ 19.11 20.30 21.48
翼面積(展開)㎡ 22.60 24.0 25.40
スパン(投影)m 9.04 9.5 9.96
スパン(展開)m 11.42 12.0 12.58
アスペクト比(投影) 4.28 4.45 4.62
アスペクト比(展開) 5.77 6.0 6.23
機体重量 kg 4.35 4.6 5.05
飛行重量 kg 70-100 70-120 70-140
安全規格(EN/LTF) DGAC DGAC DGAC
価格(税別) ¥478,500 ¥489,500 ¥503,800

[製造元]APCO/イスラエル
[輸入・販売元](株)ラ・ムエッティ
[URL]https://www.sky-sports.net

2022年2月号掲載)