ギア・インプレッション

RISE2

AIRDESIGN

RISE2

期待を裏切らない安定感!
クロカンが楽しくなるハイエンドEN-B

2010年にエアデザインがスタートして3年。すべてのラインナップが出揃い、そして今回初めてのモデルチェンジとなったのが、EN-Bハイエンドモデルのライズ2。エアデザインのコンセプトをそのまま具現化したとも言える、同社がもっとも重きを置くモデルだ。

エアデザインのコンセプト

エアデザインのグライダーデザインのコンセプトは、「コンディションを選ばない安定感のあるグライダー」である。いくら性能が良くても、荒れた空域でとても怖い思いをしては楽しくなくなってしまう。エアデザインは、いつもこのバランスをとても大事している。  ライズ2は流行りのシャークノーズを採用し、プロファイル、セル構造、ラインシステムにおいてすべて新しい設計で、上位モデルのヴォルトからのフィードバックで作られた。
セイルはドミニコ30D。3ラインコンセプトで、メインラインは被覆付きのエーデルリット7343−280、ミドルとアッパーラインはコンペライン8000Uのケブラーラインが採用されている。
グライダー重量はラインレイアウトに対応するように設計し、内部リブおよびストラップの重量を減少させて内部構造を最適化した結果、Mサイズで5.5kgと、前モデルより約700g軽くなっている。
ライザーは12mmの細いライザーに、プーリーによる軽いスピードシステムや、Cボールと呼ばれるリアライザーコントロールシステムも上位モデルとほとんど変わりなく採用されており、満足度も高い。また、ブレークトグルは大きさを自在に変えることができ、冬グローブでも問題なく使用できる。

フライトインプレッション

Aライザーに軽くテンションを与えると、少し重さを感じた後素直に上がってくる。軽すぎないので、乗り換えのステップアップでもあまり気にならないかもしれない。素直に立ち上がったキャノピーは軽い抑えで頭上に留まってくれる。
浮き出しは良く、テイクオフするとすぐに滑らかな滑空にはいる。巡航速度は37km/hとあるが、体感的にはもう少し速い感じで、アゲンストでも風を切りよく飛んでくれる。
アクセルは軽く踏むことができ非常に使いやすく、踏み込みからのレスポンスも良い。これならストレスなく多用でき、フライトの幅が広がるだろう。
ブレークプレッシャーは軽めだが、引きこむにつれ徐々に重さを増してくる。このバランスが取れたブレークプレッシャーは意図しない失速を回避でき、長時間のフライトでも疲れずにリラックスしてフライトできるだろう。サーマル内でバンクの角度を変更したり、フラットな旋回をすることは容易で、翼はより強いサーマルへ反応し、サーマルのコアへ引き寄せられ、思ったように反応してくれる。山際のセンタリングでもストレスなく回すことができた。

欲ばりな中級機

性能も安全性もと欲張るパイロットに対応したライズ2は、必要とすべき使える性能をすべて持っており、そのハンドリングと取り扱いやすさは中級パイロットのためのクロスカントリーグライダーに仕上がっている。まさに、「ザ・中級機」というべきグライダーで、多くのパイロットが楽しめることだろう。

(REPORT: Hideaki MONJI)

SPEC INFORMATION

サイズ XS S M L XL
セル数 49 49 49 49 49
翼面積(投影)㎡ 18.01 20.34 22.41 24.26 26.45
翼面積(実測)㎡ 21.27 24.02 26.47 28.66 31.25
翼幅(投影)m 8.57 9.11 9.56 9.95 10.39
翼幅(実測)m 10.96 11.65 12.23 12.72 13.29
アスペクト比(投影) 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1
アスペクト比(実測) 5.7 5.7 5.7 5.7 5.7
速度(max/trim) km/h 53/37 53/3753/3753/3753/37
飛行重量 kg 60-75 70-90 85-105 100-125 120-145
機体重量 kg 4.7 5.1 5.5 5.9 6.3
安全規格(EN) BBB BB
価格(税別) ¥490,000¥490,000¥490,000¥490,000¥490,000

[製造元]AIRDESIGN/オーストリア
[輸入・販売元]エア・カッシー
[URL]http://www.airkassy.com/

2014年10月号掲載)