
ADVANCE
OMEGA X-Alps
速くて軽いだけじゃない!
選ばれたパイロットのための次世代の翼
世界選手権やワールドカップのレースで数々のタイトルを獲得してきたOMEGAシリーズ。ADVANCEが誇るフラッグシップモデルだ。オメガ8がリリースされてから5年、新しいオメガは超軽量モデルとしてリリースされた。X-Alps2015で勝つために作られ、その目的は クリスチャン・マウラーとセバスチャン・フーバーの1-2フィニッシュという最高の結果で達成された。
ファンの熱い期待を受け、いよいよ上陸!
エックスアルプス2015で、ワンツーフィニッシュを果たしたオメガエックスアルプス。1000?以上にも及ぶヨーロッパアルプスのレースで実証されたその性能とは? 付属のコンプレッションバッグに収まったグライダーは小さくコンパクト。今回使用する22サイズは22.8?で重さ3.4?(オリジナルライザー仕様)と、とても軽い。 広げてみると、Pi(パイ)を思わせる軽くてしなやかなセイル。ポルシェスポーツスカイテックス27g/?の軽量素材をメインとして使用し、要所を32g/?で構成している。軽量素材を使用しつつも、丈夫で従来グライダーに近い耐久性とのことだ。特別販売ということもあって、ザックもパッキングベルトも付属していない。ライトネス2付属のライトパック2を使うとぴったり収まる感じだ。
朝イチの一番おいしい空をファーストイン
今回はサイズ22(75-95?)を、85?のど真ん中でチェックしてみる。ブローのタイミングでライズアップするとふわりと立ち上がってくる。驚きの軽さだ。それでいて6.9のアスペクトを感じさせないがっしりと安定したフィーリングで、左右に暴れることもなくピタリと頭上安定。この辺りはシグマやイオタと大差なく感じる。
加速をしてテイクオフ。すぐ目の前のサーマルを掴み、ゆっくりとターンを繰り返してみる。最初は慎重にブレークの重さ、ターンの切れを確認しつつ、強めのサーマルで一気に旋回へ移行する。スルスルと上昇に転じて高度を上げる。
ブレークは重めだが、サーマルの手応えをしっかりと感じることができる。ターンの切れは見事で、アドバンスファンを魅了してやまない切れ味の良いハンドリングに仕上がっている。
これがエックスアルプスを制したスピードなのか!
高度を獲得したところで、グライドを開始する。グライド中の翼を見てみると、軽量グライダーとは思えないがっしりとした安定感を感じる。小型化によって翼面荷重がしっかりとかかり、リフトに当たっても上昇成分を受けながらしっかりと前進していく。
アクセルを一段踏んでみると、重めで、踏み始めから機速が上がるのが分かる。スピードは出ていても翼の挙動は安定している。ラフな空域の中でもしっかりと加速しつつも安定している。
二段目を踏んでみると、あまりの加速感に圧倒されそうになった。これがエックスアルプスを制覇したスピードなのか。それでいてピッチが驚くほど安定している。この安定感がラフなヨーロッパアルプスでも安心してアクセルを使うことができる最大の理由だ。
ふとAライザーを見てみると、一番外側のラインに赤のカバーがしてある。これは…もしかして翼端折りができるのか? 試しに外側のラインに指をかけて引き込んでみると、翼端は折れ、ビッグイヤーでフライトしている。ブレークを軽く当てれば簡単に回復することもできた。
エキスパートのための特別販売
一切の妥協をしないアドバンス社が、エックスアルプスで勝つために作った翼、オメガエックスアルプス。すべてのチェック項目において、想像を遥かに超える高次元で達成していることに改めて驚いた。誰にでも与えられるものではない翼であるが、この完成度の高い翼を多くのエキスパートパイロットに知って欲しい。
(REPORT: Masayuki Matsubara)
SPEC INFORMATION
サイズ | 22 | 24 |
セル数 | 63 | 63 |
翼面積(投影)㎡ | 22.8 | 24.8 |
アスペクト比(実測) | 6.9 | 6.9 |
飛行重量 kg | 75-95 | 90-110 |
機体重量 kg | 3.4 | 3.55 |
安全規格(EN/LTF) | D | D |
価格(税別) | ¥580,000 | ¥580,000 |
※軽量ライザーを使用した際の機体重量は3.25kg、3.4kg。 |
[製造元]ADVANCE/スイス
[輸入・販売元]アドバンスジャパン(株)
[URL]http://www.advancejapan.co.jp/