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スズキ／スイフト

SUZUKI SWIFT

世界累計530万台達成！

　スイフトはスズキを代表する小型車で、初代は2000年に登場。軽自動車のイメージが強いスズキだが、当時、軽自動車のkeiのボディを流用して初代スイフトを生み出すなど小型車への展開を積極的に進めていた。同じ手法でワゴンRからワゴンRプラスを生み出し、現在のソリオの基礎を作った。基幹モデルに成長したスイフトとソリオを見れば、当時の堅実な経営戦略が成功したと言える。
　2代目は2004年に世界戦略車としてフルモデルチェンジ。日本以外でもハンガリーとインドで現地生産、低価格ながらスタイリッシュなデザインやスポーティな走りへのこだわりなどが高い評価を受け、2005‐2006日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞、2006年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、世界の国々で180を超える賞を獲得。2016年11月には累計530万台を達成したのだが、なんと55％がインドで発売されている。
　イメージ作りも巧みで、走りを磨いた鮮やかなイエローのスイフトS1600をラインナップに加え、世界ジュニアラリー選手権での大活躍はモータースポーツファンの心をしっかりと掴んだ。

欧州で磨き上げた走り

　2017年早々発表になった新型スイフトは、作り上げてきたイメージを大切にしながら、大型フロントグリルや低く構えたシルエットなど、躍動的なスタイリングへ大胆にデザインを進化させた。
　スイフトの最も重要なポイントが走りだ。軽量高剛性の新プラットフォーム「ハーテクト」を開発し30kgの軽量化、ボディやドア、シートなどのパーツを見直すことでなんと120kgも軽量化し、前車で1000kg未満に抑えている。
　そのアプローチも目を引く。基本設計や開発は国内で行ったが、チューニングや性能確認は要求の高い欧州で練り上げた。ドイツをテスト拠点に高速走行や総合評価、イギリスで足回りのセッティング、アルプス山岳路の登降坂、北欧で寒冷地試験、南欧で酷暑・高地でのエンジン適合と緻密かつ入念だ。
　もう1つのポイントがマイルドハイブリッドの設定。減速時のエネルギー回生やアイドリングストップ後のエンジン再始動を、モーター機能付き発電機「ISG」が行い無駄な燃料消費を制御する。組み合わせる1.2L自然吸気エンジンの負担を軽減し、C08モード燃費消費率27.4km/lを実現した。低燃費とハイパワーを両立するスポーツ系には1.0Lターボエンジンを搭載している。

「スズキ初」がたくさん！

　グレード展開は1.2Lエンジンを積むベースグレードXG、量販グレードXL、低燃費のハイブリッドML、フロントバンパーやリアバンパー、グリル、スポイラー、アルミホイールを専用設計したスポーツグレードのRSとハイブリッドRSに1.2Lエンジン、走りを追求するRStには1.0Lターボエンジンを搭載する。5MTのRSと6ATのRStは2WDのみの設定、それ以外は5MTとCVTに2WDと4WDを設定する。スイフト3代目を満喫したいならば、走りと低燃費を同時に手に入れることができるハイブリッドRSがお薦め、価格はエコカー減税対象で約169万円（2WD）だ。
　昨今、搭載車が増えているカメラとレーザーレーダーによる衝突被害軽減ブレーキによる安全システムはスズキ初の採用となる。アダプティブクルーズコントロール（ACC)や走行状況に応じて自動でロービーム／ハイビームが切り替わるハイビームアシスト機能（これもスズキ初）などで構成するセーフティパッケージが＋￥96,120で装着できる（XL／RSには＋￥94,800、XGには設定不可）。スイフトにパラグライダーを積んで、エリアに続くワインディングロードを走り抜けたい。