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スバル／ジャスティ

SUBARU JUSTY

名車復活！

　2016年11月、スバルは新型コンパクトトールワゴン「ジャスティ」を発表した。ジャスティと言えば、1L直列3気筒の丁度良いサイズのハッチバックで、このクラスでは貴重な4WD（パートタイム四輪駆動）もラインナップしていた。当時、20代前半だった僕は初めてのマイカー選びを楽しんでいたが、その候補に挙がっていたのが初代ジャスティだった。飾り気のないシンプルな車だったけど、それがまたスバルらしく好印象だったのだ。
　そして20数年の月日が流れ、ジャスティが帰ってきた。まとうボディは新型コンパクトトールワゴン…名前は同じだけど別モデルで、関連性は全くない。このジャスティ、実はOEMでダイハツからは「トール」、トヨタからも販売系列店の違いで「ルーミー／タンク」の名前で販売される。ダイハツ得意技の2フェイス戦略によりそれぞれに「○○カスタム」仕様があり、「ジャスティ カスタム」「トール カスタム」「ルーミー カスタム」「タンク カスタム」があるので、1つの車が8つの名前と顔をもつ、ごちゃごちゃ状態なのである。

現代の日常にジャストフィット、
だからジャスティ

　もともと軽自動車の開発に長けたダイハツだから、ユーザーが何を求めているかといったツボを心得ている。小型自動車の販売が振るわない中で、そのツボを熟知するダイハツだからこそ、作れる車がある。
　今回は小型車ならではのサイズを生かし、5名がゆったり乗れて、「人数分の旅行荷物が余裕で搭載できる荷室」を確保しながら、運転が苦手なドライバーでも安心できる「取り回しの良さ」を実現したとしている。5ナンバー枠に収めて広い室内空間を確保しているにも関わらず、最小回転半径は4.6mと、軽自動車並みの取り回しの良さを実現。エンジンは1.5L相当のトルクを発揮する「1.0Lターボエンジン」と燃費重視のNAエンジンをラインナップ、アイドリングストップ機能を全車に標準装備してクラストップレベルの低燃費24.6km/lを実現している。
　衝突回避支援ブレーキ、衝突警報、誤発進抑制制御、先行車発進お知らせ、車線逸脱警報などの衝突回避支援システムスマートアシストⅡを、全車に標準装備している点も見逃せない。初代ジャスティとは全く異なるコンセプトだが、その時々の要求を形にしているという点で、ジャスティはジャスティなのかも知れない。

軽のアドバンテージに挑む

　グレードはLとG（共に2WDと4WDの設定あり）と、ターボのGSには2WDのみの設定。ジャスティ カスタムにはNAエンジンのRとターボのRS。ミッションはいずれもCVTのみ。5つのグレードで、8モデルの展開になる。カラーバリエーションはベーシックなカラーに加えブルー系2色、明るいグリーンや流行のブラウン系も含め9色、ルーフのカラーを変えた人気の2トーンは、RSに3パターン用意されている。
　価格は一番安いLスマートアシストの2WDで1,528,200円、軽トールワゴンスバルのステラ（ダイハツ・ムーブのOEM）の中級グレードと完全にバッティングしてしまう。税制のアドバンテージを考慮すればステラには太刀打ちできないが、5ナンバーならではのサイズ感やパッケージング、多彩なシートアレンジなどのユーティリティ、スマートアシストがもたらす安全性などで明確な差別化を図っている。
　ここ数年の軽自動車の充実ぶりは目を見張るものがある。軽ばかり売れる日本だが、その中でリッターカーを充実させているのはダイハツ連合だけじゃない。ライバルのスズキもソリオやバレーノ、イグニスなどリッターカーを着々とラインアップ。急成長する新興国の自動車事情か、日本国内の税制の変化を予期しているのか、様々なファクターが複雑に絡み合う時代の情勢に適応していく過程なのかも知れない。
　ジャスティに戻って、この車のアピールポイントを享受するなら、どのグレードでも構わない。11月に東京の初冠雪を記録した気象変化を考慮すると、Lスマートアシストの4WD（1,752,840円）がお薦め！