フライヤーのためのパラワールド新車情報

series175

スバル/クロスオーバー7

SUBARU CROSSOVER 7

トヨタ/シエンタスバルの誕生

 水平対向エンジンと四輪駆動という唯一無二の強烈な個性で、数ある自動車メーカーの中で独自のポジションを持つスバルこと、富士重工業。太平洋戦争では隼や疾風といった名機を生んだ中島飛行機の流れをくみ、スバル360を筆頭にレオーネ、アルシオーネ、レガシィ、フォレスターなどの名車を世に送り出してきた。
 高い機能性は北米でも人気があったが、ボディサイズやデザインを北米に合わせたことで人気に火が点いた。北米でもスバルとして販売されているが、会社名は富士重工業株式会社。スバルは自動車のブランドの名前に過ぎないのだ。
 ご存じの通りスバルの由来は、6つの星からなるプレアデス星団(和名:すばる)にあり、富士重工業が中島飛行機の流れを汲む5社の資本出資によって設立されたことに因んで名付けられた。自動車の名称に、和名を使ったのはスバルが最初だ。
 1917年に創設された飛行機研究所から脈々と流れるエンジニアの熱い魂。100年周年にあたる2017年(4月1日)から、社名とブランド名を統一することになり「株式会社SUBARU」として新しいスタートを切ることが決まった。“スバルブランドを磨く”ことをさらに加速させ、スバルを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させていくという。ますますスバルから目が離せない。

シートやステアリングホイールなど、タン色のレザーを随所に使い遊び心を表現している。

得意のクロスオーバーSUVに化粧直し?

 今回紹介するクロスオーバー7は、好調スバルの中にあってやや地味な存在。「都市型SUV×多人数車」の新ジャンルのクロスオーバーSUVで、水平対向エンジンに全天候型AWDのパフォーマンスという基本の上に、開放感に溢れる7人乗りのパッケージングとファッション性を加えた。
 2008年から2015年まで生産していたエクシーガは、7人乗り3列シートミニバンだった。バトンタッチするように登場したクロスオーバー7は、エクシーガのビッグマイナーチェンジのようでもある。
 大きな違いは大型フロントグリルで布団とイメージを変え、前後バンパーとホイールアーチ、サイドシルに設けたクラッディングやルーフレール、専用17インチアルミホイールなどでSUVらしいデザイン性を高めている。それ以外は大きな変化はなく、ライバルが多いミニバンから、スバルが得意とするクロスオーバーSUVに方向転換したというのが実際のところだ。

モノグレードで悩む必要なし!

 車選びの楽しさは、複数のグレードから悩み抜いて自分に合ったグレードを見つけ出すところにもある。しかしクロスオーバー7はモノグレードなので、そんな悩みは無用。エンジンは2.5Lでトランスミッションはリニアトロニック、もちろん四輪駆動だ。装備は、本革巻ステアリングホイールや17インチアルミホイールなど充実。
 アイサイト(ver.2)も標準装備で、安全装備はSRSサイドエアバッグとサードシート対応SRSカーテンエアバッグも標準、インテリアはタン色をメインカラーとしてレザーやピアノブラック調加飾で質感を高め、運転席&助手席8ウェイパワーシート、シートヒーターで快適性を高めている。悩む必要があるのはボディカラーくらいで、ホワイト、タングステン(ベージュ系)、ダークブルー、グレー、ブラックの5色を揃えている。
 7人乗りクロスオーバーSUVと言えば、北米では2014年までの10年間、トライベッカという7人乗りフルサイズSUVを販売していた。日本での販売は難しいとの判断で、国内販売されることはなかったモデルだ。決して成功と言えなかったエクシーガ、いまいち精彩を欠くクロスオーバー7と、なぜかスバルはこの手のモデルでヒットを出すことができないのは不思議でならない。派手さはないが、手堅くまじめなスバルらしい車に仕上がっている。

DATA

●車体
全長×全幅×全高(mm) 4780×1800×1670ホイールベース(mm) 2750
車両重量(kg) 1620乗車定員(人) 7
●エンジン
型式水平対向4気筒排気量(cc) 2498
最高出力(kW[PS]/rpm)127[173]/5600最大トルク(N-.m[kg-m]/rpm)235[24.0]4100
JC08モード燃費消費率(km/l)13.2駆動方式AWD

■車両本体価格帯(税込):¥2,754,000
■SUBARUお客様センター フリーダイヤル0120-052215
■URL: http://www.subaru.jp/crossover7/