フライヤーのためのパラワールド新車情報

series174

トヨタ/シエンタ

TOYOTA SIENTA

トヨタ/シエンタ3列コンパクトミニバン戦争

 4m前後の全長に3列シートを持つコンパクトミニバン。3列目の居住性はミニマムサイズだが、これがファミリー層に大いに支持されている。通常は少人数でも、親が遊びに来た時や子どものスポーツへの送迎など、いざというときに大変役に立つ。実際、ママが運転するにはベストサイズで、お買い物車としても都合が良い。
 このカテゴリーを開拓したのは、2001年に登場したモビリオ(ホンダ)だ。フィットベースなので前席下に燃料タンクを配置、3列目を効果的に使えるメリットを最大限に活かしたスタイルだ。左右スライドドアを採用し、3列コンパクトミニバンのベーシックスタイルを確立した。
 日産は、2003年に既存のキューブをベースに、3列7人乗りのキューブキュービックを投入して対抗。キューブ譲りの個性的なスタイルは、大きさを感じさせない優れものだった。対抗するトヨタが投入したのがシエンタで、モビリオをよく研究し尽くし両側スライドドアを採用。丸いヘッドライトと曲線を上手に使ったデザインは、ファミリーカーというイメージを醸しだし女性ユーザーにターゲットを絞った。
 モビリオは2008年に後継車フリードを発表しバトンタッチ、キューブキュービックは同年に、シエンタは2010年に販売終了。3列コンパクトミニバン戦争は、ホンダの圧勝に終わったかに見えた。

曲線を非対称に配置、ダッシュパネルもユニークで個性的。

シエンタの反撃

 一旦販売を終了したシエンタだったが、販売好調のフリードをトヨタが黙って見ているはずがない。2011年には突然マイナーチェンジを発表し反攻に転じた。初代はいかにもファミリーカー顔だったが、新型はキリリと引き締まったヘッドライトで男性にも受け入れられるシャープなデザインに。一旦販売が終了したモデルが復活するのは極めて珍しいが、それほどフリードが目立っていたということなのだろう。
 かくしてシエンタは2015年7月に2代目に移行した。全長を135mm延長し、デザインは超個性的で、アクティブな印象。それもそのはず、デザインコンセプトはトレッキングシューズをイメージし「Active & Fan」をキーワードにしている。サッカー界のスーパースター、ハメス・ロドリゲスを起用したCM戦略も巧妙だった。
 すべてのトヨタ店で販売し、ハイブリッドモデルもラインナップ、大ヒット中のプリウスに通じるデザインテイストを随所に取り入れ、女性だけでなく男性にも存在をアピールした。3列目シートの格納方法も、ライバルのフリードが跳ね上げ式なのに対し、2列目シートの下に潜り込ませる新機構ダイブインタイプを採用、簡単に格納ができ荷室を有効に使えることができるのは大きなアドバンテージになった。

ハイブリッド車も揃え、抜かりなし!

 グレードは両側パワースライドドアやスマートエントリー、本革巻ステアリング/シフトノブ、上級ファブリックとアームレストが付くG、標準車のXの2タイプが基本。それぞれにハイブリッド車とガソリン車が選べる。ガソリン車はシンプル装備のVパッケージもあり、4WDはガソリン車のみの設定。Gは7人乗りと6人乗りを選べ、44WDは6人乗りのみ。ここらはじっくりカタログを見て考える必要がある。
 カラーはカタログで紹介されている鮮やかなエアーイエローの他、グリーン、レッド、ブルー、ホワイト、シルバー、ブラック、ブラウンの原色系を含む8色、アクセントカラーと組み合わせるFLEX TONEの5色もオプションで用意する。売れ線はハイブリッドGの7人乗りだろう。ワクワクをカタチにして、思わず出かけたくなるアクティブで楽しいスタイルが大人気となり、発売以来で数カ月待ちの状態が続いている。

DATA

●車体
全長×全幅×全高(mm) 4235×1695×1675ホイールベース(mm) 2750
車両重量(kg) 1820乗車定員(人) 7(6人乗りの設定あり)
●エンジン
型式直列4気筒DOHC排気量(cc) 1496
最高出力(kW[PS]/rpm)54[74]/4800最大トルク(N-.m[kg-m]/rpm)111[11.3]/3600~4400
●モーター
最高出力(kW[PS]/rpm)45[61]最大トルク(N-.m[kg-m]/rpm)169[17.2]
JC08モード燃費消費率(km/l)27.2駆動方式2WD(ガソリン車に4WDの設定あり)

■車両本体価格帯(税込):¥2,329,855(¥2,226,763~2,329,855)
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■URL: http://toyota.jp/sienta/