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スズキ／イグニス

SUZUKI IGNIS

ありそうでなかった新ジャンル

　ハスラー、アルト、エスクードと個性的なニューモデルを連発する元気なスズキから、新しいコンセプトの新型車イグニスが発表された。2015年3月のジュネーブモーターショーのコンパクト4WD「iM-4」、2015年10月の東京モーターショーで進化型を展示していたモデルだ。
　コンパクトカーの使いやすさ、高めのアイポイントと余裕のロードクリアランスを持つSUVの走行性能を融合させたコンパクトクロスオーバーだ。ラインナップの中では、大人気のハスラーとエスクードの間を埋めるポジションになる。オンにもオフにも、日常使いからアクティブな週末の遊びまで使える欲張りなモデルなのだ。
　全モデルにISG（モーター機能付発電機）と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドを標準装備。燃料消費率JC08モードで28.8km/L（MG 2WD）を達成、全車エコカー減税対象で環境性能にも一切の妥協はない。スタイルはシンプルだが印象的、ゴテゴテしたデザインが多いなかで好感が持てる。ボディの四隅にタイヤを配置して踏ん張りを効かせた力強さを持たせ、大径タイヤで最低地上高180mmを確保。アプローチやデパーチャーのアングルを大きくとることで、荒れた路面や段差も安心だ。
　エスクードのフェンダー、スイフトのAピラー、フロンテクープのCピラーなど、往年のスズキ車のテイストを現代風にアレンジしながら随所に盛り込んでいるので、新鮮さに懐かしさも同居している。

お薦めは4WDモデル

　ラインナップは自動点灯するLEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプ、リヤフォグランプ、パドルシフト、クルーズコントロールシステムなど充実装備のMZ、主要グレードになるMX、ベーシックグレードのMGの３モデル展開、それぞれに2WDと4WDを設定し、ミッションはCVTを組み合わせる。
　カラーはオレンジ、ブルー、ゴールドの浸食を加え全8色、人気の2トーンルーフをMZに設定して13のバリエーションから選ぶことができる。またシート表皮やセンターコンソール、サイドドアグリップなど各車体色にマッチする3種類の内装色を組み合わせているのも楽しい。
　ビスカスカップリング式を採用した4WDモデルは、JC08モード25.4km/lの高い燃費効率を達成。急な下り坂で車速を約7km/hにコントロールするヒルディセントコントロールや雪道やぬかるみでスムーズな発進をサポートするグリップコントロールなどの安心の機能を搭載。180mmの最低地上高と合わせ、雪道や荒れた道で高い走破性能を実現。「毎日の生活で便利に使え、気の向くままに自然を楽しむ」というイグニスのコンセプトを余すことなく享受するなら、絶対4WDモデルがお薦めだ。

安全装備も充実

　全モデルにステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム搭載のセーフティパッケージ車を＋97,200円で用意。ブレーキサポートをはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、エマージェンシーストップシグナルを、SRSカーテンエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグがセットになっている。
　フロント、両サイド、バックに搭載するカメラによる俯瞰映像で周囲を確認できる全方位モニターはタッチパネル式のナビゲーションとセットオプション（142,560円）、iPhoneを車内で安全に使える「アップル カープレイ」に対応している。
　気になる収納スペースだが標準状態で133L、リアシートをスライドさせれば258Lに拡大する。さらに背もたれを倒せばフラットな415Lの荷室スペースが出現するので、2人分の機材も楽々積み込める。
　イグニスは「点火」を意味するイグニッションからの造語で、人々の心に火を灯し、気の向くままに移動を楽しんでほしいという想いを込めて命名されている。