series163
ダイハツ/コペン ローブ
DAIHATSU COPEN Robe
コペン復活!
2014年6月19日、ダイハツは軽オープンスポーツカーのコペンの発売を開始した。初代コペンが販売終了したのは2014年、約2年間の時を経ての復活だ。軽のオープンカーと言えば一時代を築いた1991年のビート(ホンダ)やカプチーノ(スズキ)を思い出すが、1989年に発売されたユーノス(マツダ)ロードスターがオープンカーを身近な存在にし、その流れが軽自動車にも波及したのだ。
初代コペンは2002年に登場した。「軽」を意識せずに、持つことの喜びや走る楽しさを徹底的に追求して一台一台手作りで作られていた。20秒で開閉できるオートトップは嬉しかったし、クロームのロールバーやセンターマフラーはスポーツ心をくすぐり、ボディの美しい作り込みや厚みのある塗装、徹底的に磨き上げられた安全性からは開発チームの熱い思いがひしひしと伝わってきた。

クルマって楽しい
初代の愛嬌のある丸いヘッドライトのクラシックモダンから、新型コペンは大きなインテークとつり上がったヘッドライト、シャープなプレスラインなど今風のデザインと雰囲気を身にまとう。このデザインのベースになるのが「D-Frame」と名付けられて骨格構造で、従来のモノコック構造やフレーム構造という概念にこだわらず、骨格のみで曲げ剛性を3倍、ねじれ剛性を1.5倍高め、操縦安定性と乗り心地を向上した。
新骨格構造は新しい価値観も生みだした。通常は金属で作られる車両の外板部分だが、ボンネットフードやトランクフード、フロント/リアバンパー、フロント/リアフェンダー、ロッカー、フューエルリッドの11パーツを樹脂製にして、ボルト締め付け構造を採用したことで購入後に自由に着せ替えやカラー変更が可能にした(内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」)。さらにそのデータを公開しているので、誰でも個性的なアフターパーツを作ることができる。まるでスマホのケースのようなイメージだ。樹脂外板や樹脂製燃料タンク採用によりMT車で850kgと初代コペンに迫る軽量化を達成、走りや空力性能も磨き、抜群のバランスや高速直進安定性を実現した。
クルマで走る楽しさを堪能できるコペンに人気は爆発、発売後1カ月(7月18日現在)で、月販目標台数700台の約6倍となる4,000台を上回った。その年齢構成は~20代10%、30代20%、40代20%、50代25%、60代~25%で、なんと40代までのユーザーが5割を占めているのは若い世代のクルマ離れが進むなかでは驚きだ。
シンプルなラインナップでスタート
今回登場したコペンは、アクティブトップ標準装備のローブのみ。ローブのエンジンは「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」認定を取得した水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボのみ、トランスミッションは7速スーパーアクティブシフト付CVTと5速MTが用意されている。価格はアイドリングストップ機能を搭載するCVTの方が割安で、JC08モード燃費消費率(km/l)も3.0ポイント上回っている。
その他の違いはマルチインフォメーションディスプレイの表示項目の違い程度で、16アルミアルミホイールやデュアルエアバッグ、本革ステアリングホイールなどは変わらない。
現在のところ選択はシンプルだが、2014年秋には先の東京モーターショーで出品された黒い樹脂製フェンダーなどを身に付けるクロスオーバーSUV風の【Xモデル】が追加される。
軽自動車が元気なホンダはビートの復活も間近と噂されているし、そうなれば軽自動車の王者スズキもカプチーノを早期に投入することになるだろう。瓜二つのコンセプトが蔓延する軽自動車の中で、前号のハスラーやコペンなど、ワクワクする自動車がたくさん登場することは喜ばしいことだ。
DATA
●車体 | |||
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1280 | ホイールベース(mm) | 2230 |
車両重量(kg) | 870 | 乗車定員(人) | 2 |
●エンジン | |||
型式 | 水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ | 排気量(cc) | 658 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 47[64]/6400 | 最大トルク(N-.m[kg-m]/rpm) | 92[9.4]/3200 |
JC08モード燃費消費率(km/l) | 25.2 | 駆動方式 | 2WD |
■車両本体価格帯(税込):¥1,798,200(¥1,798,200~1,819,800)
■お客様相談センター 0800-500-0182
■URL: https://copen.jp/