ギア・インプレッション

MANTRA M2

OZONE

MANTRA M2

コンペグライダーのスペックを
安全性とともに追求した優秀機

OZONEのトップパフォーマンスグライダーの「MANTRA」が、「MANTRA M2」として生まれ変わった。コンペグライダーをそのまま市販しないOZONEにとっては、事実上の最上級市販機になる。異例とも言えるほど早いモデルチェンジには、製品開発に対する同社の自信が窺える。

コンセプト

マントラという名前を継承してはいるが、マイナーチェンジというよりはフルモデルチェンジで、翼のかなりの部分が新設計だ。ハイアスペクト、3列ライン、フルコンペラインと、見た目にはDHV2-3であることが信じられない。ライン長は90mも短くなっている。
オゾンは設立当初から市販モデルの最上級機はDHV2-3で、この枠の中で最大限の性能を出すことに精力を注いでいる。他のコンペモデルと競り合っても引けを取らない性能を出した上で、安全性や乗りやすさで完全に上手をいくことを狙っているのだ。
M2は、マントラがもともとハイアスペクトだったので、扱いやすさを考慮してわずかなハイアスペクト化に抑えている(6.0→6.2)。セル数に関しては据え置きの59セル。機体重量もMサイズ5.8kgで、おそらくこのクラスでは最軽量の部類に入り、ボリュームも小さい。ラインは被覆のないシンライン(通称コンペライン)で、一般にアラミド系のラインは紫外線に対する耐向性が悪いのだが、このシンラインは耐紫外線のUVコーティングを施してあるのであまり神経質になることもなさそうだ。

フライトインプレッション

ライズアップは想像以上にエアーのはらみが良く微風でも軽い。ただ、今の自分のグライダーの立ち上げが重い場合は、フロントライザーの引き過ぎと荷重のかけ過ぎに注意したい。
テイクオフしてすぐに感じたのは、ハンドリングがすばらしく良いこと。小さく強いサーマルでもクイックに回すことができる。旋回速度はやや速めで、DHV2クラスからの乗り換えだとターンのきっかけや終了時のおつりの処理に少し手間取るかもしれないが、慣れの問題だけで違和感はすぐになくなるだろう。乗り手によっていかようにもなる自由度の高いハンドリングだといえる。
巡航スピードもやや速め。重めで乗ると40km/h位出るのではないかと思う。失速速度は22km/h前後。このアスペクトからすると非常に優秀だ。
アクセルを踏むと、途端に滑るように加速する。同じ高さでマントラと性能比較してみると、フルグライドでM2のほうが1km/hほど速い。同時にアクセルを半分踏んで再度比較するとあっという間に3機分くらい高度差がついてしまった。スピードを上げれば上げるほど、ライン抵抗やアスペクト、その他細かい違いが性能差で現れてくる。
冬の一番バンピーなコンディションにもかかわらず、大きな潰れは一度も起きなかった。試しに片翼を50%程度潰してみたが、思ったよりも挙動は穏やかで、大抵の場合は軽いブレーク操作で回復した。Bストールは安定した沈下で回復も穏やかだ。回復時もディープストール傾向はない。翼端折りはハイアスペクトのため、折る瞬間の翼がしなるような動きに不安を感じたものの、性能としては全く問題なしだ。スパイラルの導入や旋回のコントロールも容易。
とても洗練された乗り味で、「もう一度乗りたい」と思ってしまう楽しさがある。ハンドリングも抜群、グライドも気持ちが良く、オゾンフリークがまた増えてしまいそうだ

(REPORT:Hajime Miyabi )

SPEC INFORMATION

サイズ S M L
セル数 59 59 59
翼面積(投影)㎡ 21.00 22.70 24.80
翼面積(実測)㎡ 24.5 26.5 29.0
翼幅(投影)m 9.8 10.2 10.7
翼幅(実測)m 12.4 12.8 13.4
アスペクト比(投影) 4.6 4.6 4.6
アスペクト比(実測) 6.2 6.2 6.2
ルートコード m 2.49 2.59 2.71
機体重量 kg
飛行重量 kg 67-87 82-102 97-122
速度(MIN/TRIM/MAX)km/h
沈下率
L/D
適正技能 JHF P証up JHF P証up JHF P証up
安全規格(DHV/AFNOR) 2-3/(PER) 2-3/- (2-3)/-
価格(税込) ¥546,000 ¥546,000 ¥546,000

[製造元]OZONE/フランス
[輸入・販売元]ファルホークインターナショナル(有)
[URL]http://www.falhawk.co.jp/

(2007年4月号掲載)