ギア・インプレッション

ALPHA4

ADVANCE

ALPHA4

“空の友達”

ALPHA4の開発に与えられた命題は、安全性と滑空性の両立。具体的には、1.初級機としての安全性を損なう事なくコントロール性を向上 2.いかなる条件下でも揺ぎない信頼感 3.中級機に追随する滑空性能 の3つ。これらをバランスさせ、このニュージェネレーショングライダーは初めて空を飛ぶ人からウイークエンドパイロットまで、飛ぶことを心置きなく楽しめる機体として誕生したのだ。

アドバンスが総力を挙げて開発

アドバンスが最初に取り組んだ課題、それはパイロットが飛ぶことを安心して楽しめる安定性に、さらなる磨きをかけること。オメガ開発で培ったハイアーチ理論を導入して、必要最小限のアスペクト比で最大限のピッチ安定を作り出した。
チームが持てる全ての知識とデータを元に、アルファ4に与えられた3つの命題が具現化されていった。デザイナーのトーマスにより創り出される機体を、カリ・アイゼンヒュットが率いるテストチーム(クリスチャン・マウラー、アンディー・アビ)によってフライトテストが繰り返され、日本人パイロットに合わせたリクエストも取り入れながら、開発は続けられた。

2つの滑空性能を持つファーストグライダー

機体作りにおいてもっとも多く議論されたのは、滑空性能をどこまで上げるかということだった。ファーストグライダーがL/D8.3もあって危険ではないのか? 狭いランディングに対応出来るのか?
この回答は、トーマスによって見事にクリアされた。ブレークポジションによって機体特性を変化させたのである。通常フライト時のブレークポジションでは、アルファ3同様の安心感抜群の滑空比で、フルグライド付近ではイプシロンクラスの滑空比をもつ中級機なみの滑空性能。2つの性能をアルファ4に凝縮したのだ。
アルファ3に比べ、アルファ4のブレークは2割ほど軽く設定されている。ブレークの初期動作に対してはゆったりと反応し、サーマルポジションでは操作に素早く追随、少ないストロークで容易に機体を操ることができる。また、アスペクトを抑えることで旋回半径が小さくなっており、ハイバンクでの旋回も自由自在だ。
サーマル内では、一度コアに入れば風見効果によってコアへ切れ込んでいく特性は、イプシロンと同様にアドバンスの得意とするところ。初めてのサーマルソアリングを安心して楽しむことができ、機体を操りながら雲底へ向かうようになっても、いつも頼れる相棒としてアルファ4はあなたの側にいてくれるだろう。
特筆すべき点は翼の安定性だ。軽快なコントロール性と相反する点ではあるが、アルファ4はこれを見事に両立させている。DHV1クラスではトップレベルのコントロール性を持ちつつ、全サイズ一度にテストを通過している。
さらに、フルグライドからアクセルをハーフ程度まで踏み込んだあたりまでは、イプシロン4と同等の滑空性能を持たせてあり、クロスカントリーへ挑戦するのも夢ではない。滑るような加速感とまではいかなくても、ファーストグライダーでは体験出来なかった領域まで、きっちりと作り込んである機体なのである。
また、ブレークハンドルをサイズによってM・Lの2種類用意したことで、手の大きさによる操作感覚の違いも補正する細かな配慮もされている。
最近では安全性が確立されてきたクラス1であるが、アルファ4の登場によって新たな可能性と方向性が示されたのは間違いない。 空の親友になってくれる機体、アルファ4で空に繰り出そう。

(REPORT:Shinichi NAGASHIMA)

SPEC INFORMATION

\
サイズ 23 25 28 31
セル数 39 39 39 39
翼面積(投影)㎡ 20.27 21.97 24.39 27.23
翼面積(実測)㎡ 23.66 25.59 28.47 31.79
翼幅(投影)m 8.45 8.79 9.27 9.80
翼幅(実測)m 10.60 11.03 11.63 12.29
アスペクト比(投影) 3.52 3.52 3.52 3.52
アスペクト比(実測) 4.75 4.75 4.75 4.75
機体重量 kg 5.3 5.6 6.1 6.6
飛行重量 kg 55-75 65-88 78-106 96-130
速度(MIN/MAX/TRIM)km/h 22±1/38±1/47±2
最少沈下率 1.1 1.1 1.1 1.1
最大滑空比 8.3±0.1 8.3±0.1 8.3±0.1 8.3±0.1
安全規格(DHV/EN) 1/EN 1/EN 1/EN 1/EN
価格(税込) ¥430,000 ¥430,000 ¥430,000 ¥430,000

[製造元]ADVANCE/スイス
[輸入・販売元](有)ジェネス
[URL]http://www.genese.co.jp/

(2007年12月号掲載)